ソウルたより ~韓国の葬祭料理~ 韓国から美味しいもののお便りを。と申し上げたのに、 最初が通夜の清めか！？と思われるでしょうが、 こういう物を見る機会はあまり無いでしょうからご紹介します。 さて、今日の昼頃、お葬式の連絡が入り、急遽ピョンテク(平沢と書く)まで 弔問に出かけました。 韓国では斎場に封筒があり、そこにお香典を包み、 受付にあるポストの様な函に入れ、芳名録に記帳します。 もちろん日本のように受付の係りが居ることもあります。 祭壇と御遺族に挨拶をした後は、食堂に通され、 写真のおかずや餅と、この他にカルビスープとご飯が出されます。 写真のレイアウトが悪いですが、こっそり撮ったのでお許しを。 今日、斎場に行って、思い出したことがあります。 技研の同窓会からいくらも時間が経っていないので思い出したと思います。 そうでなければすっかり忘れて居たようなことです。 父の親友で、松下の部品の商社をしている社長さんがいます。 技術屋一本槍の父と違い、商売上手な、けれど温情厚いとても良い方です。 今からずいぶん前、父がまだ在命中に、 "今度ウチに入った人がタカコちゃんの上司だから連れて行くよ"と その社長さんから連絡がありました。 一体どなただろう…？と思っていましたが、 Aさんでした。(イニシャルではありません。) 私は良く覚えていましたが、Aさんは直属の方ではありませんでしたから、 私のことなど記憶には無かったとは思います。 Aさんはその数年後に残念ながらお亡くなりになりました。 とても短い在籍でしたが、社長さんの心尽くしで 葬儀は社葬でとり行われました。 一切が済み、御香典は全て奥様にお渡ししたそうですが、 改まった挨拶も無しに行かれ、その後、ご連絡一つ無かったそうです。 私は、その話を聞いた時、故人の冥福を祈ることも忘れて、 「人が死ぬ時に、後を穢さず行くことすら難しいのだな、世の中は」と、 痛切に感じました。 としごろに生きてやさし面目は とりなほしるがともかくも むつかしげなり中有の旅路には 合掌　 貴子(2015.07.29)